ネズミの国と私

これがディズニーランド3回目だったのですが、さて、その前の2回はどうだったかと言いますと。
1回目。中学生の修学旅行。特に仲がいい訳でもない、グループを組み損ねた同じクラスのはみ出し男子数名でディズニーランド。「仲のいい子同士でグループを組め」という悪魔の言葉は友達のいない陰気な子供心を大いに傷つけますが、そこは子供。それなりに楽しんだんじゃないでしょうか。スペース・マウンテンで恐怖のあまり引きつっていたのは今と同じです。


2回目。私は大学を出てから東京へ出て、新聞配りをしながら専門学校に通っていた時期があります。今程ではありませんが、私の就職活動時もなかなかの氷河期だったのです。もう就職できないなら東京さ行くだ!と一人愚かな道を走り出しました。そこで利用したのが『新聞奨学生』という制度です。主な対象は大学受験の浪人生。タコ部屋を与えられて、朝晩の新聞を配れば学費を負担してくれます。朝晩の食事もあるので、私にこれ以外の選択肢はありませんでした。そこで、奨学生の慰労イベントとして用意されたのがディズニーランドツアー。全くもって販売店の同僚浪人生達と馴染んでいなかった私にとって拷問以外の何物でもありませんでした。


アトラクションへ向かう彼らを見送り、ディズニーランドに一人残されました。専門学校の授業内容に耐えられず、通うのを止めた後だった気がします。借金をして働いているのだから、学校へ通うのを止めても2年間の労働からは逃げられません。世の中の全てが憎たらしい23歳が一日中一人ランドですよ。犯罪者にならなくて良かった!楽しそうな人達をどす黒い気持ちで眺めながらどう時間を潰すか考え、結局ディズニーランドの全エリアで昼寝するという面白くもなんともないことを実行。私の中でベスト10にランクインしているであろう、不毛な一日でした。