さらざんまいとOOO

今期のアニメ『さらざんまい』。

面白いというかなんというか。

 

相変わらずの幾原節ですが、セルフパロディ盛り沢山で1話ごとに分かりやすくネタを漏洩してくれる、幾原作品入門編なのかと見ていました。しかし話が進むにつれ、やっぱり痛々しい感じに。女性向け作品の雰囲気を隠れ蓑にして今後さらに仕掛けてきそうで楽しみです。

 

欲望をテーマにした作品と言えば私がまず思い出すのは仮面ライダーOOO(オーズ)です。日曜朝にやっている子供向けの特撮番組でとんでもないものをテーマにしたものだと思いますが、平成仮面ライダーの中では随分話が明るい。欲望(グリード)の名を冠した敵が出てきますが、いずれも悪役ではなく己の欲望のままにひたすら奪い合っているみたいな話だったと思います。パンツ一枚あれば他は何もいらない、みたいな欲望を失った主人公が、欲望まみれの輩達に翻弄され、というような筋書きだったのかな。正直なところ各エピソードもオチもあまり覚えていないのですが、とても好ましい仮面ライダーでした。OPがこれまたいい。「本気出して戦うなら、負ける気しないはず!」負けない、じゃないのが憎い。「気」が大事だもんね。

 

「欲望」は生きることへのエネルギーであり、それ自体が悪ではない。でも欲望は一人で完結しないから他人に迷惑をかけることがある。しかも男は色々な欲望と性欲が実に分かりやすく結びつくから扱いに困る。

 

そもそも欲望そのものが他人の欲望のコピーなんだみたいな話を哲学者が言ってました。他者から欲望を貰ってしまうのであれば、まっとうな欲望を持つ人たちの群れにいるべきで、それが結局、偏差値の高い学校を出て、良い会社に入り、裕福な人の暮らす街に住むべきという話になる訳で。つまらない話ですが、子の事を考える親がそうなるのは当然と言えば当然なのです。でも今は広大なネットの世界。自分の子供にyoutubeは見せていないのですが、おともだちは当然見ているものだから、子供が知らない歌を歌ってるなと思ったら人気youtuber番組のオープニングテーマだったりして笑ってしまいます。

 

世俗に染まりゆく我が子を眺めながら、この子はどんな欲望に火をつけるのか楽しみであり、恐怖であります。街を歩けばプリ〇スが突っ込んでくるこのふざけた時代にようこそタフガール。法律を侵さず、善良な市民になるべく迷惑をかけず、タフに生きてくれたら勿論いいんですが本音は怖い。